令和4年(2022年)11月17日、一般社団法人日本応用地質学会九州支部・九州応用地質学会の令和4年度(第38回)研究発表会にて下記の学会発表を行いました。
発表者 | 演題 | 発表予稿 |
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鹿児島市街地における温泉探査事例(重力探査・電磁探査) |
鹿児島市内では当初は温泉が自噴していたり、比較的浅い深度の温泉開発がなされたりしていましたが、地下500~900mと、深部の基盤岩の中にも割れ目が発達しており、温泉の貯留層の存在が明らかなった1) 2) 3)ことで、さらに有効な温泉開発が可能になりました。
温泉は、鹿児島に豊富な火山や地下水がもたらした大地の恵みですが、同時に限りある資源であることを意味します。地質学的な温泉の成り立ちを理解し、有効な開発を心がけています。
当社では、本発表の事例や平川動物公園など、鹿児島県内のさまざまな場所で地下深部の探査手法を活用しています。その後の温泉掘削工事やメンテナンスも含めたワンストップサービスを構築し、温泉形成の地質モデルや、掘削技術の進歩を取り入れ、持続可能な開発を目指して経験・知識の蓄積に努めています。
1) 露木利貞(1975), 鹿児島市内温泉の賦存状態-地域地下水の研究(1)-. 鹿大理学部紀要(地学・生物学), No.8, p.63-77.
2) 黒川達爾雄(1996): いで湯の国・鹿児島, 春苑堂出版, pp.228.
3) 岩松暉(2015):1993年鹿児島豪雨災害.かだいおうち(Advanced Course), データ更新日:2020年11月26日, https://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/oyo/advanced/geology/hotspring.html.
4) 若松和幸,住吉武志,山下祐志(2022):源泉開発に伴う物理検層の評価と判定. 第33回全地連「技術フォーラム 2022」那覇 論文集
記事執筆:宇都忠和
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