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2018年度(公社)鹿児島県地質調査業協会青年部会 フォトコンテストに寄稿
喜界島と言えば、平坦な島で、斜面災害とは無縁のようなイメージを持たれがちかもしれません。しかし、今も急速に隆起しつつあるサンゴ礁の島※1であり、条件さえ揃えば、表層崩壊や地すべりが起きても決して不思議ではないと言えます。
サンゴ礁(琉球石灰岩)より古い時代の、島尻層群から、平成29年の台風22号で多発的に崩壊が発生し、県道とその下方の畑地に流動化した土砂が流入した様子を、ドローンで空撮した写真です。
喜界島は、サンゴ礁より高く隆起した、第三紀の砂岩・泥岩互層で構成される島尻層群が分布しています※2。島尻層群は、2006年にも沖縄県の「中城村北上原地滑り」のような、長距離を流動化する地すべり※3によって、被害を生じたように、水を含むと注意が必要な地質です。図-1bでは、水を豊富に含む土砂が畑地に流入しています。
冒頭の写真の一番奥には、台地上に池が認められます。なぜか、この周辺に池が複数分布し(図-1aの地点Y1, Y2)、崩壊跡では水みちが形成されていることが窺われます(図-1d)。
※1 活断層研究会(編)(1991): 新編 日本の活断層 分布図と資料, p325.
※2 竹内誠(1994): 20万分の1地質図幅・同解説書 奄美大島.
※3 藤澤和範(2006): 沖縄県中城村北上原地先で発生した地すべり災害の概要, 土と基礎, 54(9), 46-48.
2019.09.12 UP
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